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2009年12月17日
聞こえましたか~? 茂樹校長先生!!(H21.12.15)
12月15日(火)レトロモダン メモリアルピアノコンサートが,本校の食物健康科カフェテリアで40人の招待客のもとで開催された。
このピアノは2007年,食物健康科棟新築の際に旧校舎の物品庫から,暗幕(昔の黒と赤のもの)に包まれて出てきました。外観は塗りがはげてキズまみれ,上蓋を開いて覗くとハンマーはところどころ無かったり飛び出していたり,弦を止めているピンは赤茶けていて弦そのものも錆び放題でしたが,「Nishikawa&Son」と記された銘盤が付いていました。
早速アルバムを開いて見ると,ありました。神田マス子先生がピアノを弾き,創立者初代校長外山ハツ先生がその横に立っていて,裏側には大正14年と書かれていた。本校の創立が大正13年ですので,まさに「歴史の生き証人」。
後世に残そうと考えた茂樹校長先生は,ヤマハミュージック北海道函館店の上出さんに相談し,外観のキズ等はそのままにし,最大限オリジナルのものを残すことで“当時の音色”をよみがえらせたいと,東京都港区にある斉藤ピアノ調律所に修復を依頼。6月26日茂樹校長先生立会いのもと陸送され,響板や弦をたたくハンマーなど,大部分はオリジナルのものを利用し,5カ月かけて修復されたピアノが11月30日(月)に到着したが、8月に急逝された茂樹校長先生は完成を見ることが叶わなかった。その“思い”も一緒に後世に語り継ぐために,Toyama Shigeki Memorial Pianoと命名した。
「西川ピアノ」は,西川虎吉が明治時代半ばに国産ピアノの製造に乗り出し生産した呼び名で,本校のピアノは他の「西川ピアノ」と比較し,①製造番号が無いのは逆にあるものより古い可能性があり,②量産体制に入る前の試作品の可能性が高いと思われ,③構造的に日本人の手による最初のころのピアノで,④恐らく明治時代半ばの製作ではないか,ということでした。特に,函館短期大学保育学科長の佐々木教授は,内部の素材や構造から「1886年から90年ごろまでに作られたものでないか」と推測していた。
今回,学校関係者を招待して,高 実希子さんのピアノリサイタルを実施。ショパンやシューマンの曲を演奏し,アンコールに応えて本校の校歌もサービス。実は,茂樹校長先生が「ピアノができてきたら,校歌を演奏したい」と話していたので,高先生に楽譜を渡してお願いしていました。きっと天国の校長先生に届いたことと思います。そして,あの優しい笑顔で,ニコニコしながら,明治時代の音色の校歌を聞ききながら口ずさんでくれたと思います。
今後は,チャリティーコンサートを開いたりして,このピアノの活用法を考えていきたいと思っています。
写真:©函館大妻高等学校
投稿者 otsuma : 2009年12月17日 22:03